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モダニズム注入




 

こら、キヨシ!! こんなことより、早く品物紹介せんか!!

って、心の中の声も聞こえてきますが、

自分の中でのジュエリーの理解を深めた方がより良い視点を得ることができると思っています。

 

例えば、千本透かし。

このスタイルは、戦後に生まれたと思っていますが、

源流は、戦前にあって、

ただ、戦前のものは透かし方が違います。

そして、地金を使う量や、飾り方の意識の部分が微妙に違う。

 

戦前と戦後だと、似ているようで微妙に違う。

でも、軽量化しつつ飾る。という部分では同じ。多分、モダニズムという思想の流れの中にあって、表現方法と、客層とかそういう部分が微妙に違う?

 

そして、戦後、千本透かしのアームなどもだんだん太くなってきます。

材料をふんだんに使える時代になってくるのだと思いますが、

唐草が登場し、石座が上に伸びていきます。

他にも、大きな違いがあります。

千本透かしが様式化しているというか、形が大きく違わないのに対して、

唐草も様式化していきはしますが、

初期のものは、自由奔放というか、創作意欲に溢れているというか…

 

うまく言えないんだけれども、時代時代によって背景の思想が違う。

背景の思想は、ジュエリーに限らず、建築などでもリンクしているのではないか?

というのが、今のところの仮説?的な感じで…

 

建築だと学問として確立しているので、ジュエリーに置き換えることで、いろんなヒントを得られるのではないか?

と、思っています。

自分の感覚と、建築史家のセンセー方のご意見をすり合わせていき、

確信めいたものが見えてくれば、

皆様により的確にそのジュエリーと、ジュエリーのデザインが持つ意味をお伝えできるのではないか?

というスンポー っす。

 

例えば、

こういう建造物と、

こういうジュエリー

建築の方が時代を少し先取っているような気はするけれども、

何かを主張したい。何かを表現したい。新しい表現を探したい。そのための材料はふんだんに使える。

的な思想は相通じるものがあると思うのです。

 

見当違いならそれはそれで、また別の仮説を立てればいい。

てな感じで、ジュエリーへの理解を深めたい…

誰かが教えてくれるものではないから、自分で掘るしかない。

もうちょっと、建築に詳しくなったら、専門家さんに自分の思いをぶつけてみたいけど…

てな感じっす。

 

平成も終わる事ですし、ちょっと前と思っていた時代をより俯瞰というか客観視したくなる頃なのでしょうかね?

 

というか、そんな事より、仕事しろって話ですが、

知りたいんだから仕方がない。

 

↓ちなみに、文章を撮影させてもらった本はこちら↓

磯崎新と藤森照信のモダニズム建築談義 7P
磯崎 新, 藤森 照信 (著)

 

 




2 thoughts on “モダニズム注入”

  1. 建築は、都市空間や生活空間という生活のベースにあるものなので、その空間とジュエリーともきっと繋がっていますよね。東京では、1923(T3)年の関東大震災後に、道路を広げて、銀座和光ビルのような立派な耐震耐火の近代建築が次々と建てられて、モダン都市東京が出現していったそうです。生活空間が、洋風化していくことで、徐々に洋装や、洋風ジュエリーが一般の人たちの間にも浸透していったのだと思います。渕上さんが上でおっしゃっていたように、この時代から戦後の千本透かしの頃までのクラシックで上品なデザインは、私も繋がっていると思います。それが、1960年代末から、ファッションだとミニスカートとかジーンズが流行し、東大の安田講堂などで学生運動・安保闘争、ベトナム反戦運動とか、カウンターカルチャーやポストモダンの時代に入っていって、ジュエリーも唐草が盛り上がって自己主張を始めたのでしょうね。あと、渕上さんがおっしゃった、日本が豊かになって金やプラチナや宝石がたくさん使えるようになったのも同意です! すみません、ながながと書いてしましたました。でも、みんな繋がっていますよね。

  2. コメントありがとうございます。
    そういえば、戦前と戦後では、アメリカの存在感も違ってますよね。
    ジュエリー史の本をもう一度読んでいたら、戦後はアメリカ趣味にならざるを得なかったとありましたが、
    今まであまり意識してこなかったのですが、アメリカの影響というのは大きすぎる位あるでしょうね。
    自己主張を始める建築やジュエリーの源流はアメリカにありそうだと思いました。

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