昭和ジュエリー とは その2 時代と作り




昭和ジュエリー という言葉を作って、7年

昭和ジュエリーとは何かという事をもう一度考え直してみたいと思います。

 

大変ざっくりだけれども、大まかな時代分けをすると・・・

戦前のジュエリー

昭和30年代半ばからの 千本透かしが流行した時代

昭和50年代前後の 唐草リングが流行した時代

 

こうやって分けてみたけれども、それぞれ悩みどころがありまして

戦前のジュエリーは、グループとしては、戦後よりも、大正時代との連続性、親和性があるので、その先の明治時代の事などを考えると、戦前のジュエリーに対してたとえそれが昭和初期であっても、昭和ジュエリーと語るよりは、戦前ジュエリーか、また、別の言葉で表現した方が収まりがよいのではないだろうか?と、思えてきました。

千本透かしは、K18の中に、リングに対して石座が斜めに取り付けられていたり、鋳造のもの、王冠透かしに多いのですが、透かし方が甘いなど、作りが緩いものがちらほらあって、そういうものと、プラチナ&ダイヤモンド取り巻きのような品格のあるものと並列に語ってよいのだろうか?

唐草のリングの時代になると、鋳造品がとても増えてくるのですが、鋳造品と手作りのデザインが同じなので、それを並列させてよいのだろうか?という事。 

ちなみに、唐草の場合は、最近、手巻唐草という言葉で鋳造品とは分けようかなと思っています。

 

極論を言うと、昭和時代に作られたジュエリーは、昭和ジュエリーであると言えるのかもしれないけれど、自分が伝えたかったのは作りの良し悪しの部分なので、やはり作りがよいものを昭和ジュエリーと呼びたいです。

それと、戦前の地金を節約しながら作り上げるジュエリーと、戦後のジュエリー、特に唐草は、地金をふんだんに使用しているものがありますので、これまた同じように語るのがとても難しいです。

 

そんなこんなで、今のところこのサイトでは、

戦後以降の、丁寧に作られたジュエリーを主体としたジュエリー群を昭和ジュエリーと呼びたいと思っております。