コランダムという宝石で、赤色がルビー、それ以外の色はサファイアと言います。
非加熱は、(意味合いとしては、ナチュラル、無処理となるのですが)、鉱山から掘り出されたものをカットしただけのものです。
美しい色合いの非加熱のコランダムはその人気と希少性により価格が高騰しております。
加熱処理は、1980-1990年代頃に、ある種のコランダムに熱を加えることで色が鮮やかになることが発見されました。
そして、それが流通することになり美しい色合いの、ルビー、サファイアの需要を満たすことができるようになりました。
非加熱とか無処理とかナチュラルという言葉のつかないルビー、サファイアは加熱がなされていると思っていただいてよいかと思います。
ちょっと厄介なのが、80年代より前だろうというルビーを鑑別に出しても加熱という結果が出たりすることもありますので、80年代よりも前のルビーだから非加熱だという事もはっきりとは言えないと思っています。
(追記:コランダムの加熱の歴史は1000年前くらいからあるのだそうです。ただ、この技術がどの程度なされていたかは確認できませんでしたので、アンティークジュエリーのコランダムで加熱のものを見たことがあるという方いらっしゃいましたらご一報いただけますと大変ありがたいです。)
それと、その時代にその産地はありえないという結果になり、それを伝えると、結果が変わることも何度も経験してきましたので、権威ある鑑別機関もその判断は絶対ではなかったりもします。
ルビーに関してご注意いただきたいのは、含浸や充填という処理のなされたルビーです。
これは、ルビーとは言えないようなものですし、中古品でもよく見かけますのでご注意ください。
販売員がそのあたりの事を詳しく知らずに売ってしまっていることもありますしね・・・
ちょっとややこしいのが、エメラルドは普通含浸がなされていまして(含浸に使う材料は違います)、ノンオイルとか、無処理などの表記のないエメラルドは含浸がなされていると思っていただいてよいと思います。
そこに産地などが絡むと余計にややこしくなりますが、どこの鉱山かという産地については、鑑別機関でも判定はしてもらえませんので
・何という石か?
・その石に施されている処理は何か?
・その処理がジュエリー業界内で受け入れられているものかどうか?
この3点を押さえることで、宝石に関してシンプルに考えることができるかなとは思います。
諏訪宝石の諏訪さんの本に紀元1000年くらいからコランダムの加熱はしていたとありましたし、ヴィクトリアンボックスさんでもアンティークジュエリーのコランダムも加熱されていると確認しました。
ゆか様
ありがとうございます!
ギウダを加熱したもの等ここ数十年で発見された方法以外に、過去にも様々な加熱処理の可能性があるというという事ですね。
となると、アンティークジュエリーにセットされているコランダムがどのくらいの割合で加熱処理がなされているか興味が出てきますね。
後日、文章を書き替えたいと思います。
お教えいただきありがとうございました!