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失われていくもの /1901191

先日入手した昭和のリング。

既に仕上げ済の状態。

沢山の昭和のジュエリーを見てきた今なら断言できるけれど、

こちらは、もともとアームは面取りされていて、中央部分が艶消しだったものが、

仕上げ(磨き)によって、艶消し部分なくなっていますね。

現代は、ジュエリーにもコスト意識が求められる時代なので、

アームに面を作って、両側は光沢、中央は艶消し

みたいな、ひと手間、二手間かかる作業は省かれがちです。

ここの艶消しは残したいよね

みたいなことを考える人は、ユーザーでも、職人さんでも、仲介する人でも、少なくなってきているのだと思う。

その位に、つるんとしたアームが当たり前になっているし、

そこに手間かけて、価格が上がってしまうよりは、コストを下げてより安く

という意識がどうしても働いてしまいがちかと・・・

 

昔のジュエリーと、現代のジュエリー 根っこの考え方が違うので、出来上がったものは、形は似ていても、別物ですね。

という例の一つですね。

 

時代が進めば、技術もすすんでいく。というのは、それはそうなのですが、

その技術は、より良いものを作るための技術もあれば、

より低コストで作成する技術というものもあります。

現代は、何もかもに低コスト高パフォーマンスが求められますので、

人が気付きにくい部分の事については容赦なく省かれていきますが、

 

やっぱり、このスタイルのアームは、中央が艶消しの方が、似あっているし、落ち着くと思う。

現状でもピカピカ綺麗なのですが、それだと、リング自体は残っても、昭和のひと手間二手間かけられたハンドメイドジュエリーの良さの一部分が失われている事と同じような意味になってしまいます。

昭和の手作りジュエリーが、こういう意識で作られていたのだという事を伝えるためにも、

仕上げのやり直しで、面取りと艶消しを、当店がお願いしている職人さんいお願いしようかと思っています。

 

ただ、これは、諸刃の剣という部分もあって、

アームが痩せちゃうんですよね。

まぁ、ただ、そうなったとしても、艶消しを復活させる方がいいだろうと思うのが現時点での私の判断です。

 

職人さんと相談してみよう。

 

 

こちらは、別のリングですが、こういう感じにしたいです。

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