只今1時。
夜中に、たまには、ダラダラとブログを書いてみようかな?
先日、お客様がご来店し、お義母様から頂いたという昭和のサファイアのリングを見せてくださりました。
昭和38、39、40年の間に購入したものであることは間違いない。
とのことでした。
それは、K14WGの枠におさまっており、その方は、昭和ジュエリーの年代の参考として見せてくださったのですが、
私が、(紺とグレイが感じられるすっきりとした透明感のある石でしたので)「これは、おそらく非加熱のサファイアですよ(おそらくスリランカ産)」現代では、サファイアは多くが加熱処理という処理をなされていて、ナチュラルのものは少ないんですよ〜。大事にしてくださいね〜。
というと意外な顔をされていました。
お義母様は、プラチナではなく、14金であることを詫びてばかりで、石の価値について何も言わなかった。ので、石にそこまでの希少性があることを今まで意識してこなかったそうなのです。
どのくらい希少かというと・・・・
例えば、百貨店やブランドの宝石売り場に行って、このサファイアは加熱処理がなされていますか?
という質問をして回れば、だいたいの感覚はつかめるでしょう。現在、店頭に出回っている、ほとんどのルビー、サファイアは加熱処理がなされているからです。
サファイアとして、綺麗かどうかというと、別問題で、
非加熱だからって何でもかんでもすごいのではなく、
美しいものがすごい ということになるのですが、
ただ、ナチュラルのコランダムである。
(コランダムとは、ルビー、サファイアの仲間で、赤がルビー、それ以外の各色はサファイア)
というその一点でも、そこそこの見栄えであれば価値は認めたいところではありますね。
(ですので、ご家族の方で古いジュエリー、貴金属を売ろうとしている方々にはちょっと待った!をしてもらってもいいかもしれませんね。現代ではあまり見ないものがたまにありますので…)
ギウダという質の悪いサファイアを加熱することで色を良くし、市場に大量供給できるようになったのが、確か1980年代。
それ以前と、それ以後で、ルビー、サファイアの価値観は大きく変わります。
逆に言うと、加熱処理されたルビー、サファイアが出回らなければ、
このルビー、サファイアが加熱処理なのかどうなのか? ということは問題にならなかったであろう
とも言えると思います。
合成石も、出だしの頃は、高値で扱われていたそうですが、
その後、人工的に作られたものだとわかり、製法も広まり、大量に市場に供給されることで、
その価値は地に落ちて、ほぼ無価値と言えるほどにまで落ちてしまいました。
昔の宝石に、何故合成石がたくさん使われているかというと、
合成石が無価値である
という価値観が一般化していく過程の最中だったからだろうと思います。(まだ、ある程度の価値は認められていた)
昭和30−40年代のジュエリー、特に金の枠のジュエリーに当然のように多く合成石が使われていたのも、
現代のような合成石に対する意識ではなかったからではないかと思います。
だから、当時は、加熱か非加熱か?ということが問題にすらなっておらず、
合成か、天然か?という事が現代的な天地ほどの価値観の差はなかったのではないかと・・・
そのような感じで、時代によって宝石に対する価値観は時代によって変わっていくのだと思います。
ちなみにちなみに現代でも、今までの価値観を揺るがせるような石の出現があったりもします。
アフリカ産のルビー、サファイアはまだしも。
香港、中国で出てきているという、メレサイズの合成ダイヤモンド・・・
お店に並んでいるジュエリーにセットされている、ちっちゃいダイヤモンドが、合成か天然か?わからない・・・
それをどう考えるか?
今後、そういう状況になっていくだろうと思います。
ジュエリーのメレダイヤモンドが合成か天然か?
それをいちいち調べていたら経済的な合理性がなくなってしまいます。
でも、合成と天然のダイヤモンドが混ざっているジュエリー欲しいですか?
という事が問われる時代にこれから入っていくと思われます。
現在日本にあるジュエリーはそこまで心配する事はないだろうとは思います。可能性はゼロではもちろんありませんが・・・
今後の話ですね。そう遠くない将来のような気もしますが・・・
まぁ、昔のジュエリーはそういう部分でも余計な心配がいらないというか、安心感があったりもしますね。
タイトルからずいぶん話が飛んでしてすみません・・・
おやすみなさい・・・
zzz
ぬお!もう2時じゃん!
渕上さん、こんばんわ、ブログいつも楽しみに拝読しています。
合成石といえば、私も祖母→母のリングを見たことがあります。じがねは金色で、(金かは?肩にも彫が入ている丁寧なつくり)で紫色でカラーチェンジするとても綺麗な合成石。祖母は太平洋戦争の終戦後、まだ物資も不足して、焼け跡が残っていた時代に、銀座の小さい時計屋さんでこの指輪を見つけ、その色彩のあまりの美しさにうっとりし入手した、というような話を母から聞いたことがあります。祖母はその後も宝石には縁がないくらしだったので、合成石とは知らずにずっと大切にしていたのかもしれません。現在では全く無価値ですが、戦争の焼け跡ばかり見慣れた目にはさぞ鮮やかに美しく写ったのだろうなと想像します。キャンディポップとは時代が違うのかな?
Y.N.様 コメントありがとうございます。
当時、まだ価値があると思われていた合成石は、現代では価値を見出しにくくなっていますが、
そのかわり、デザインや、造り、当時の時代背景、50年、60年と重ねた年月に価値を見出したいものですね。